【エドモン・ジャベス】の『問いの書』。
砂漠の思想の書物。
おまえは夜だった、そしておまえは夜への道をたどる。
おまえには夜が無い、なぜならその優しさ、眼差の上の夜の掌の清々しさをおまえは知ったのだから。
おまえには、昼は苦痛で、夜はくつろぎだった。それでもおまえは光を夢見る、光の野、光の地平線を。
「本当なのでしょうか」、ある日、レブ・ナティに無邪気なメムンがたずねた、「私が最初の人間とともに生まれたというのは?」
「おまえは神の最初の願いとともに生まれたのだ」、レブ・ナティが答えた、「おまえが人間であるようにという願いをこめて。」
「本当なのでしょうか」、無邪気なメムンがレブ・ナティにさらにたずねた、「神を愛するとは、人間たちのなかで彼を愛することだというのは?」
「神を愛するとは」、レブ・ナティが答えた、「人間たちに対する神の愛を自分のものとすることだ。」
神は目立たぬ一本の芯であり、おまえによって光輝くものとなるだろう。なぜなら芯は、ガラスの下で、おまえのランプに灯される火の身振りを待っているのだから。
「だから私は自分の神を失ったのです」、無邪気なメムンが呻いた、「だって、私は父を殺した人間どもを憎んでいるからです。それ以来、私は闇のなかで暮しているのです。」
ユーケルの冬に、サラよ、いったいおまえは誰なのか?
出来事の輪郭が消え去り後に残る言葉。
フランス文学は何でこんなに鮮烈なのか。
ラテンアメリカの病んだ空気より尚ゆがんだ文学は面白い。
出先で古本で発見したのでメモ。
給料入ったら買いに行こう。
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